
木材には様々な種類があり、それぞれの材質的特徴を踏まえた利用がなされています。太古の時代には、近隣にあった樹木から切り出された木材を利用していたと考えられています。例えば、縄文時代の三内丸山遺跡にはクリ材が多用されていたことが分かっており、大径材を用いた望楼の跡も遺跡から発見されています。法隆寺が建立される飛鳥時代になるとヒノキ材が集積できるようになり、金堂や五重塔などの伽藍に用いられ、現在も世界最古の木造建築物として残っています。それに続く奈良時代には世界最大級の木造建築物である大仏殿が建立され、同様にヒノキを中心に用いられていたと考えられています。現存する大仏殿は江戸時代の再建であり、集成材とも取れる木使いも見られます。その後、平安時代以降は奈良、京都周辺のヒノキ材の資源量が少なくなり、ケヤキ材等それ以外の材も多用されるようになっていきました。無論、奈良、京都以外の地域では、古くから周辺にある樹木を使って、神社、仏閣が建てられていました。例えば、木材の樹種圏としては、スギ圏、モミ圏、サワラ圏、ヒバ圏などがあったとされています。その他、地域の広葉樹類も用いられていたことが分かっています。現代では、世界各国から様々な樹種の木材が輸入され、木造建築、家具、調度品など多くの材料として用いられています。さらに、日本産のヒノキ、スギ材を韓国、中国、台湾などへ輸出することも始まっています。ここでは、今はそれぞれの樹種の特徴を述べることはできませんが、後日、機会を作って解説したいと思います。