木材乾燥は、何故必要なのか?

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木材を乾燥させることの重要性

木材を用いて製品を作る場合、木材を十分に乾燥させてから加工することが大切である。木材は、生材を放置しておいても、次第に含水率が低下していくため、自然に乾燥するものという捉えられ方がされることがある。

しかし、工業的には、必要とされる乾燥状態に調整させることが重要であり、「自然に乾くのではなく、意図するところまで的確に乾かす」という意識が必要である。

それを仕上げ目標含水率として、規格にも掲げているということになる。乾燥させる意義としては、以下の様なことが挙げられる。

乾燥させる意義

 ①木材は乾燥に伴って収縮するため,湿潤な木材(未乾燥材)で作った製品は,使用後に狂いや割れ、すき間、継ぎ目の   段差などが生じる。

 ②湿潤な木材は、腐朽菌や変色菌に侵されやすい。

 ③湿潤な木材の強度は低く、乾燥が進むにしたがって、諸強度性能が向上する。

 ④湿潤な木材では、一般的に十分な接着力が得られない。

 ⑤湿潤な木材は、加工性や塗装性が悪い。

 ⑥乾燥すると軽量になり,取り扱いや輸送などが容易になる。

建築の場面で湿潤な木材(未乾燥材)を使用する場合の弊害

 また、建築の場面で湿潤な木材(未乾燥材)を使用すると、下記の様な弊害が生じることがある。

 ①接合部がゆるみ耐力が低下する。

 ②釘保持力の低下による床鳴りが発生する。

 ③壁面のかびが発生する

 ④大壁工法において、柱材の背割りが開くことによって壁面のクロスに亀裂やしわが発生する。

 ⑤化粧面に見苦しい割れが発生する。

 ⑥金具にさびが発生する。

乾燥方法と特徴

乾燥方法   主な特徴主な用途
中温蒸気式 ①一般的に40~80℃の範囲の乾燥温度を用いる。
②熱源は蒸気であり、燃料としては油類、木くずなど多様である。
③乾燥室の容量は、10m3程度の少量なものから200m3を越えるもの
まで多様である。
④乾燥スケジュールなどが整備されていて、様々な用途に用いることができる。  
建築用材 (構造材・造作材)
集成材のラミナ
家具用材(広葉樹)
楽器用材など
高温蒸気式 ①一般的に、乾燥工程中のどこかで100℃以上の乾燥温度を用いる方法と定義
されている。
②熱源は蒸気であり、燃料としては油類、木くずなど多様である。
③乾燥室の容量は、一般的には、30~50m3程度のものが多い。
④乾燥スケジュールは、まだ特殊な域を出ておらず、今後のさらなる整備が必
要である。
建築用材(主に構造材) など
  除湿式①一般的に35~40℃の範囲の乾燥温度を用いる。70℃付近を用いる高温型もある。
②熱源は主に電気であり、補助的に蒸気を用いることもある。
③乾燥室の容量は、10m3~30m3程度のものが多い。
④乾燥スケジュールなどは一応整備されているが、用途は限られる。
建築用材(構造材・造作材)
家具用材など
高周波・蒸気複合式①高周波加熱と蒸気加熱を組み合わせた方法で、100℃以上の高温を用いることもある。
②熱源は高周波用の電気と蒸気であり、蒸気用の燃料は油類、木くずなど多様である。
③乾燥室の容量は、一般的には、30~50m3程度のものが多い。
④乾燥スケジュールは、まだ特殊な域を出ておらず、今後のさらなる整備が必要である。
建築用材 (特に断面の尾大きな構造材)など

高周波減圧式    
①高周波加熱と減圧を組み合わせた方法で、一般的には50℃以下の低温を用いる。
②一般的には、熱源は高周波用の電気のみである。
③乾燥室の容量は、一般的には、10~20m3程度のものが多い。
④乾燥スケジュールは、特殊な領域にあり、材種に応じてさらなる整備が必要である。
家具用材 建築用材 (構造材・造作材)楽器用材など
熱風減圧式①熱風(蒸気)加熱と減圧を組み合わせた方法で、100℃以上の高温を用いることもある。
②熱源は蒸気であり、減圧が加熱効果を増大させる。
③乾燥室の容量は、一般的には、30~50m3程度のものが多い。
④乾燥スケジュールは、まだ特殊な域を出ておらず、今後のさらなる整備が必要である
建築用材 (主に構造材)など  
天然乾燥①人工的な加熱を行わずに乾燥させる方式である。
②単に放置するのでは無く、雨を防いだり、風通しを良くするなどの工夫が必要である。
③ヤードは、舗装されていることが望ましい。できれば屋根付きが望ましい。
④地域や季節による乾燥経過の違いがあり、それぞれに見合った対応が必要である。 
建築用材 (構造材・造作材)
家具用材(広葉樹)
楽器用材など